意識におけるノアの箱舟

 今回で「和尚と過ごしたダイヤモンドの日々」のシリーズも
終わりになります。

 この本は8月を持って絶版になりますので、シュンニョが
体験したOSHOの全容を知りたい方はぜひ買って読んでくださいね。

 神保町の書泉グランデに在庫を置いてくれています。

 このブログで紹介することができたのはごく一部です。
全体を通して読まれることで、多くの気づきを得られることと思います。

 最後に、シュンニョのこの本のエピローグから、
OSHOの言葉をお届けします。

 シュンニョはOSHOが肉体を離れる6ヶ月前からこの本を書き始め、
OSHOが肉体を離れたという知らせを受け取った日に、
このエピローグを書いていたのでした。

 OSHOは晩年自然環境の破壊や人口増加、核戦争の危険、
エイズなどの病気の感染に触れ、今これらのことに気づかなければ
取り返しがつかないことになるという警告を発していました。

 とりわけ環境破壊については、ある限界を超えて破壊が進むと、
もはや環境破壊をとどめることができなくなるというのです。

 ときどき私は人類がその経済活動によって地球の環境にどれだけの
ダメージを与えてきているのかを知って恐ろしくなることがあります。

 もはや人間のコントロール不能になるほどの自然破壊が進んでしまったのでしょうか?

 森林なしには私たちを含めこの地球上の生物は生きられません。

 
   森林は地上に生きる多くの動植物の棲家であり、私たちの呼吸の
もととなる酸素もその多くを森林から得ています。

 それなのに毎年日本の国土面積の半分の森林が消滅し、
さらにその半分は砂漠化し、草も生えない荒地になっているというのです。

 一部では植林されているとはいえ、植林や樹木の成長の
数倍の速度で森林が破壊されています。

 世界最大の森アマゾンも、あと50年で砂漠化してしまうと
予測されています(イギリス政府)。

 国連UNEPは、熱帯林の破壊はすでに取り返しのつかない
状態になっていると警告を発しています。

 このままでは100年で主要な森林が消失し、生物が生き
ていけなくなるかもしれないのです。

 
   急激な森林破壊の主な原因は、先進国による商業伐採です。

 アマゾン地域の熱帯雨林の減少はさらに加速され、2004年は
過去最悪だった1994年に次ぐ面積の27,429平方km(四国の面積
の約1.5倍/東京都の約12倍)の森林が破壊されました(INPE調べ)。

 この破壊は拡大しており、このままではアマゾンは数十年で
消失してしまいます。

 近年、日本をはじめとして世界各地で頻発している前例のない
気象の極端な異常現象は、自然が人間に対して行なっている破局
のシグナルともいえそうです。

 ここ数年の天候不順で、雨が少なくなったカリフォルニアでは
大規模な山火事が頻発し、東京23区を超える山林を焼き尽くしたそうです。

 中部ヨーロッパでは夏だというのに大雪が降り、その反面東京では
熱帯地方よりも温度の高い日が1ヶ月あまりも続いたり、これまでにない
豪雨での被害なども日本及び世界各地頻発しています。

 それだけでなく、あまりにも急激な開発による環境破壊の結果、
多種多様な野生の動植物が激減し、絶滅するものも後を絶たず、
自然環境の悪化崩壊の連鎖反応は拡大の一途をたどっています。

 権威ある研究機関であるローマクラブの報告書で何よりも急務と
されていた問題は世界の人口の急増です。

 
   西暦紀元0年ごろの世界の人口は推定で2億程度とされていますが、
それが産業革命を機に増加し始め、この40年の間に30億から60億に倍増しました。

 現在では70億となり、今世紀末までには100億になることが
確実視されています。

 このように植物連鎖の頂点に位置する人間やその家畜などの
動物が爆発的に増えるにしたがい、何もかもが有限である一つの閉鎖系
としてのこの地球上では、ゼロサムゲームの論理で、人間と家畜以外の
他の動物は食べ物も棲家も失い、次々に消滅していっています。

 現在個体数が100万を超えている野生の大型動物は、人間以外には
一種も存在しなくなってしまっているのです。

 アフリカのサヴァンナを大移動するヌーの大群でもせいぜい100万頭足らず。

 
   かつてはアジア大陸のどこにでもいたベンガルトラは推定で
2000頭前後とされています。ライオンはアフリカ全体で5万頭
もいないと推定されています。

 これに対して家畜は年々増えつづけ44億頭を超え、
これらの大型家畜と競合する野生の大型動物の棲家や餌を次々に奪い、
彼らを絶滅へと追いやっています。

 またここ10年来報告されていることですが、北米の大規模農業の
現場で栽培植物の受粉に利用されていた何百万ものミツバチが突然大量死
したり姿を消すという原因不明の現象が報告されています。

 蜂蜜がいなければ植物の受粉が行なわれず、果実が実を結ばなくなるので、
食糧がこの地上から姿を消すことになります。

 その原因がわからなかったのですが、最近ようやくわかり始めました。

 
   それは今世界で広く使われていて、日本でも稲の害虫である稲カメムシ対策
に使われているネオニコチノイド系の農薬がそのミツバチの大量消滅の遠因らしいというのです。

 レイチェル•カーソンが「沈黙の春」で、ロビン(アメリカ駒鳥)が突然
姿を消すという事件の原因をあきらかにしました。

 
   それは、かつては世紀の発明といわれたDDTが土中のミミズに高濃度で蓄積され、
それをロビンがたべていたのが原因だったのです。

 その本がベストセラーとなってDDTの使用が廃止されました。

 今やこのようなことは枚挙にいとまがないぐらいに起こっています。

 
   これまで害虫駆除などのために散布したり、養殖などに用いられてきた
さまざまな薬物や工業の過程で排出された毒物などが川や海にも流出し、
空気中にも拡散し、すべての動植物の連鎖に浸透しています。

 これまで人間が用いてきた農薬、化学物質などの毒物、放射能、
遺伝子組み換えによる品種改良などは、いずれはすべて植物連鎖の
頂点に位置する人間に巡り巡って来ることも時間の問題です。
 
   このようなことの事態の深刻さに気づけば、OSHOが

 
おそらく私たちはこの美しい惑星が、
 そのすべての美、すべての生命、
 すべての偉大なる努力の結果をもろともにして
 終末を迎える日を目前にしているのだろう
 
と言っていることがいかに真実を突いたものであるかもわかるでしょう。

   OSHOは語ります。

おそらく私たちはこの美しい惑星が、
 そのすべての美、
 すべての生命、

 すべての偉大なる努力の結果をもろともにして
 終末を迎える日を目前にしているのだろう。

 希望の光はどこにも差していないようだ。
 そして、こうして私が語るとき、
 語っているのは私ではなく、
 人類とその未来に希望を失った存在(イグジスタンス)なのかもしれない。

 私がまだ夢をかけている唯一のもの、それは私の人々だ。
 この惑星はおそらくもう救えないだろう。

 だが、意識的になろう、
 光明へのあこがれをつくりだそうと
 みんながすこしばかりの努力をするならば、
 すくなくともその人たちだけは救われるだろう。

 だが、あなたがたも世界の大衆のようにふるまいづけるなら、
 あなたがたにかけられた使命も失敗に終わる。

 あなたがたにはとほうもない責任がある。
 ここを除いては
 世界のどこにも、
 光明を得よう、瞑想的になろう、
 愛とよろこびに満ちあふれようと、
 ともに試みる人たちの集まりはない、

 どんな小さな集まりだろうとないからだ。
 私たちは世界という海のなかにあるほんの小さな島にすぎないが、
 それは問題ではない。

 あなたがた、わずかな人々だけでも救われたなら、
 人類のすべての遺産、
 すべての神秘家と覚者たちの遺産が、
 あなたがたを通じて救われるからだ。

 この惑星は死ぬのならば、
 たぶん別の惑星で……。
 生命を育むことのできる五万の惑星がある。

 文明は別の惑星でABCから始まりなおす必要があるのかもしれない。
 だが、だれが開拓者になる?
 完全に無意識な暗愚な大衆、
 彼らは開拓者にはなれない。

 光に向けて、永遠の生命に向けて、
 神性のなんらかの体験に
 向けてみずからをふさわしいものにするために大きな努力をした、
 選ばれた少数の者たち――
 おそらく彼らだけが、宇宙のどこか別の惑星に、
 新文明を生みだす者になるだろう。

 私は以前にはけっしてこんなことを言わなかった。

 
   だが、世界を旅するうちに、
 私はハートに深い痛みを感じるようになった。

 救いを必要とする人々みずからが、
 救いを拒否して、
 ありとあらゆる障壁をつくりだしているのを知ったからだ。

 彼らに近づくことさえ不可能になった。
 そして全世界を見たうえで、
 私はもはやひとつの可能性しかないと感じるようになった。

 私の近くに来た少数の者たちの意識のなかにノアの箱舟をつくること。

 
   ただしそれは物理的なものではない。
 意識的な人々の小集団を別の惑星に移すための、
 意識におけるノアの箱舟だ。

 人類の偉大な遺産を救うにはそれが唯一の方法だと思える」

 これはOSHOが二年前に語った言葉でしたが、そのこだまはまだ鳴り響いていたのです。

黒鳥と一体になったゼロは、自分のハートにも衝撃を感じました。
これらの言葉は彼女の一部となりました。
昼も夜も、一瞬の切れ目もなしに、彼女はこれらの言葉を感じるようになりました。

和尚と過ごしたダイヤモンドの日々