マスターから弟子への伝達

マスターから弟子への伝達の方法には、さまざまな方法があります。

一般にマスターが弟子の眉間に指を当てて行うシャクティパットという方法が有名ですが、ただ、目を見ることだけで行うこともあります。

マスターが行うというよりも、準備ができた弟子が受け取る、と言った方がいいかもしれません。

今回、ジョティが書いている体験はそのようなマスターからの伝達が起こったようです。

ジョティは何を伝達されたのでしょうか?

それでは、「一万人のブッダたちへの百話」より、
「マスターから弟子への伝達」をお楽しみください。

ジョティは語ります。

「 Oshoがブッダ・ホールのポーディアムに入ってきました。
  音楽が流れています。

Oshoの顔が透き通り光り輝いているように見えます。
Oshoはゆっくりゆっくりと、手を合せてポーディアムの上をまわり、椅子に腰掛けて目を閉じました。

私は大きく目を見開いてOshoを見つめています。
Oshoの顔はきらきらと輝く光です。

しばらくしてミュージックが止まり、深い静寂が広がりました。
Oshoはゆっくりと目を開き、顔の向きを変えながら、瞑想のなかにいるOshoの未来のブッダたちを見ていきます。

Oshoの顔が私たちの方に向けられ、その一瞬のうちに私の見開いた目はOshoの目にくぎ付けになりました。

私はただ凍り付きました。
恐怖の波が全身を駆け抜け、身体が小刻みに震え出しました。

Oshoはじっと私の目を見つめています。
マインドは空っぽになり、Oshoが私の目を見ているという自覚があるだけです。

それがどれだけの間続けられたのか私にはわかりません。
おそらく2、3分の間でしょう。でも私には永遠のようです。

両目が自然に閉じていき、私は内側の深い沈黙のなかに沈んでいきました。
目を開いたときにはポーディアムにOshoの姿はなく、ブッダ・ホールに人影はほとんどありませんでした。

もう何も考えることができません。
何とか起き上がり、自分の部屋まで身体を引きずるようにして戻りました。
そして何が起こったのかを理解しないままベッドに横たわりました。

急に、全てを失い見知らぬ土地にたったひとりで置き去りにされた赤ん坊のように泣き出しました。
泣いて泣いて泣き続け、そして眠りに落ちました。

翌朝、さわやかで開放された気分で目を覚ましました。
朝のお茶を入れて、目を閉じて味わっていると、
これから育ていかなくてはならない虚空が自分に宿っていることに気づきました。


ジョティに何が起こったのでしょう?

精神的な探求はミステリーです。
人生そのものがミステリーです。
マスターとともにいることで、
さらにその神秘が深まっていくようです。

普通では出会わない、さらなる神秘に出会うことになります。

ジョティに起こったこと。
それもまた神秘です。

Oshoは伝達について、次のように語っています。

一瞬で十分だ!

長い間、マスターとともにいればよいというものではない
時間はそこには入り込まない

それは量の問題ではない
どれだけの長くマスターともに暮らしてきたか
ということが問題なのではない
問題はどれだけ深く
あなたがマスターを愛したかによる

どれだけ長くマスターとともにいたかではないーー
どれだけ強烈に、情熱的に
あなたがマスターと関わてきたかにあるーー

時間の長さではなく、
あなたの気持ちの深さにある

そうすれば、
一瞬の気づき、
そのハートの覚醒
一瞬の静寂…

そしてそのトランスミッション(伝達)
すべての経典を超えた伝達
        Osho

今日はここまでにします。

えたに