ゴールド・ナゲッツ(OSHOの叡智の言葉)

「ゴールド・ナゲッツ」と名付けられたこの本は、Oshoがアメリカ滞在中に逮捕状なく、無実の罪で拘束され、危険人物と看做され国外追放された後、ネパール、ギリシャ、ウルグアイなどの数カ国に滞在した際に、Oshoのもとに集まった人たちに語られた講話からの、「叡智の金塊」とも言える言葉を集めたものです。

なんと、その間に立ち寄った21ヶ国の民主主義国からは、一夜の宿さえ提供されずに入国拒否をされたのですから驚きです。

ギリシャのクレタ島の滞在先で講和していたときには、突然警察が滞在していた家に押し入り、国外追放されたりもしました。その理由は、彼の講話が青少年に害を与えるから、というのだから驚きです。

ギリシャといえばソクラテスの国でもありますが、ソクラテスも確か同じような理由で毒殺されたのでしたよね。

そういう経緯のなかでの講話録ですので、この本の帯には「ソクラテスは二度毒殺された」というキャッチがついていたりします。

私はギリシャのクレタ島を訪れたときに、私が滞在していたホテルの隣が偶然Oshoが滞在して講話をしていた場所だと知って、友人たちと訪れたことがあります。

その家らしい屋敷の門の外から、中を見ていたら、ちょうどその時、そのお屋敷に住んでいた人が家の中から出てきて、門の外からその屋敷とか庭を見ている僕たちを見つけて、「あなたたちサニヤシンの人たちなの?もしよかったら庭に入って、見ていってもいいわよ」と招き入れてくれたのでした。

そのお屋敷は、エメラルド色の海を見渡す絶壁に建っていて、ちょうど絵はがきにあったOshoが窓辺に立って写真に写っていたのと同じ窓が見えて、Oshoが講話をしていた庭の木がありました。

その屋敷から見下ろす海は、ちょうど私たちが滞在していたホテルに隣接する岩場で、私はその岩場で毎朝泳いでいたのでした。

ギリシャでのOshoの講話のビデオは見ていたのですが、思ったよりも小さな庭だったのが意外でしたが、とても印象深いひとときでした。

それはともかく、Oshoは、その滞在した数ヶ国の国々で、そこに集まった人たちに200回近い講話を行いました。
それらの講話が6冊の本として出版されています。

この「ゴールドナゲッツ」は、それらの6冊分の講話のなかから、愛について、生について、あなたについて、子供について、道を探求するすべての人のために、その質問に応じて語られたものの中から、こころに残る短い言葉として抽出されて、編集されたものです。

ふと気が向いたときに、好きな箇所を開いて、その言葉を読んで、自分の人生、生き方に思いを巡らすといいでしょう。
短い言葉を、余白を大きくとって編集されていますので、気軽に楽しめます。

例えば、こんなふうな言葉です。

トータルに生きなさい
ひとつひとつの瞬間が黄金に輝き
人生が黄金の瞬間の連続になるように

そのような人はけっして死ぬことがない
なぜなら彼はミダースの手を持っているからだ
彼は触れるものすべてを黄金に変えてしまう
(ミダース=手に触れる物すべてを黄金に変える力を与えられた王)

あなたはあるがままの自分と
存在が与えてくれたものにけっして満足しない
それはこころが惑わされているからだ

あなたは自然が意図していない方向に向けられてきた
自らの内に秘めた可能性に向かっていない

あなたは他人が望む人間になろうとしている
だが、それでは満足できない

満足できないとき論理は言う
「たぶん、まだ足りないのだ。
 もっとやってみよう」

そこで、さらに多くを追い求めて
あたりを見まわす

人々がけっして内に秘めた可能性のことなど考えないように
社会はあらゆる手段を用いてきた

そして惨めさのすべての原因は人が自分自身でないことにある

ただ自分自身でありなさい
そうすれば、惨めさも、競争も
他人が自分より多く持っているということも
自分の方が他人より少ない
といった煩わしさもない
       Osho