本当はどちらの方が美しいの?

マインドは常に他と比較しています。

一つのことを褒められると、つい、「じゃぁ、それ以外のものはどうなの?」っていうふうに比較してしまうものです。

一つの料理を褒められると、「じゃぁ、別の料理は美味しくなかったの?」ってマインドは思ってしまいます。

誰しも心あたりがあるのではないでしょうか?

それにしてもOshoは次から次へと、よくこれだけのジョークを、当意即妙に語ることができるものだと感心します。

Oshoの講話を聞いていても、あまりにもそのジョークがぴったりなので、そのジョークを話すためにその講話をしたのかと思う時がよくあります。

Oshoはムラ・ナスルディンのジョークを愛していました。

「ナスレッディン・ホジャ物語」―トルコの知恵ばなし

という本が出ています。

そこには「コーカサス・トルコ人の間でモルラ・ナスレッディンといわれる人物は、その名前のもとに集められた数多くの滑稽・頓智ばなし、奇矯な行状記、逸話の主人公。『トルコの一休禅師』である」というふうに説明があります。

Oshoは、ムラ・ナスルディンはトルコのスーフィーだというふうに語っていますが、ムラ・ナスルディンについて次のように語っています。

「このナスルディンほど 
 私が愛した者はいない。

 宗教と笑いはいつも背中合わせだ。

 ナスルディンは、この両者を、 
 古くからの敵意を捨てて仲直りさせた。

 そして宗教と笑いが出会うとき、
 瞑想が笑い、笑いが瞑想するとき、

 奇跡が起こる・・・・ 
 奇跡の中の奇跡だ。

<Osho 「私が愛した本」>

宗教はともすれば深刻になりがちです。
笑いは不謹慎だとみなされがちです。
そういう意味で、宗教と笑いは背中合わせなのです。

しかしOshoにとっては深刻さは病気だといいます。
Oshoはどんなときにも笑いを忘れることはありません。

それでは、Oshoとのひと時をお楽しみください。

ジョティは語ります。

「 Oshoと一緒にソハンの家に滞在しています。

皆とテーブルを囲んで取る昼食はOshoの楽しみです。

ソハンは実に素晴らしい料理の腕の持ち主です。

朝の講話の後の午前10時15分ごろにソハンの家に着きます。

それから1時間もしないうちに、ソハンは何種類ものおいしい料理を作って昼食の用意をします。

午前11時半までに、全員が中央を花で飾った大きな長方形のテーブルを囲んで席につきます。

ここで出される食事はいつも大変なごちそうです。

Oshoは食事中にジョークを話すのが好きで、周りを溢れんばかりの笑いで満たしてくれます。

今日は、あまりにたくさんの料理が出されているため、どれから手をつけたらよいのか迷ってしまいます。

ソハンはOshoのそばに立ち、いろいろなボールから料理を取り出して、Oshoの皿の上に盛り付け始めました。

Oshoは気に入った料理に賞賛のことばを送ることを惜しんだりはしません。

今日はダヒ・ワダが気に入ったようです。

ダヒ・ワダとは、豆粉を一ロサイズのボールに丸めて油で揚げ、それをヨーグルトに浸したインド料理です。

Oshoが「ソハン、このダヒ・ワダは実に美味しい」とソハンに声をかけました。

するとソハンは「ということは、他の料理はおいしくないのですか?」とことばを返したので、Oshoは驚いてソハンの方を向いて
いや、そうではない― 
 そういうつもりで言ったのではない。
 ある物語をしてあげよう。
 そうすれば、私の言っていることが理解できるだろう」と言いました。

Oshoは次の物語を話してくれました。

ふたりの美しい女性と恋に落ちた
ムラ・ナスルディンは、どちらの女性にも、
それまでに出会ったなかで
最高に美しいと言っていた。

ある日、ふたりは出会い、
どちらもムラから同じことを
言われていることを知った。

ふたりは一緒にムラに会いにいって、
ムラにこう問いただした。

「さあ、正直に言ってちょうだい。
 本当はどちらの方が美しいの?」。

ムラは一瞬考え、そして言った。
「ふたりとも、どちらよりも美しいのさ」

全員がお腹を抱えて笑い出しました。

Oshoが
ソハン、君の料理は全て、君の作ったどの料理よりも最高においしいよ
と言うと、ソハンにもやっとジョークのポイントがつかめて大きな声で笑い出しました。」

一万人のブッダたちへの百話

そういえば、私がOShoのアシュラムのあるプネに滞在している時、ひょんなことから、インド人の家に招待されて、食事をご馳走になったことがありました。そのとき、Oshoは彼女のチャパティが好きで、今もアシュラムに届けていたりする、ということが話されていました。

インド人の家庭料理をご馳走になったことが何度かありますが、インド人の作るカレーはそんなに辛くなくて、まろやかで、とても美味しいのです。

今思い出すと、その人の名前はソハンって言っていたようにも思います。うろ覚えですが。

今日はここまでにします。

えたに