「今」に生きるとはどういうことなのか?
そのヒントをOshoはここで与えてくれています。
そこには途方もない沈黙、静寂さ、停止がある
スーフィー(イスラム神秘主義)に伝わる瞑想技法に「ワーリング」という技法があります。
こまのようにぐるぐると旋回する瞑想の技法です。
その旋回を通して、内なる中心を見い出し、深いレベルでの変容をもたらす瞑想です。
目は開けているので、周りの世界はぐるぐる回り続けるのですが、続けているうちに、内側は静かに静止しています。
まさに回っているコマの軸のなかにいるような感じになって、中心が定まるのです。
その感覚は、とても忙しい仕事のなかでも感じることがあります。
夢中になって没頭しているなかで、意識が冴え渡っているような感覚を感じるときです。
フローの状態とも言います。
あるいは、身の危険に直面しているとき。
200キロを超えるスピードで高速道路を疾走しているとき。
70キロを超えるスピードで自転車で坂道を下っているとき。
一瞬の油断も死に直結するので、思考は止まり、冴え渡った意識だけがあります。
生そのものを感じる瞬間です。
ロッククライミングが流行っているようですが、高所恐怖の私には理解できないスポーツです。おそらくは、「生そのものを感じる瞬間」を味わっているのでしょう。
現在は時間とは無関係だ
あなたがこの瞬間にここに在るなら
時間は存在しない
そこには途方もない沈黙、静寂さ、停止がある
何ひとつ去来するものはない
すべては忽然と停止している
現在は、生という水に深く飛び込む機会を与える
あるいは、生という大空に高く舞い上がる機会を与える
だが、その両端に危険が待ちうけている
「過去」と「未来」ということばは
人間の言語において、もっとも危険なことばだ
過去と未来の間で現在に生きること
それはまさに綱渡りのようなもの
両側に危険が待ちうけている
だが、ひとたび現在という瞬間の豊潤さを味わえば
あなたはその危険をも顧みない
ひとたび生と同調したら、問題は何もない
私にとって、生こそ現存するものすべてだ