世界を破滅に導く5つの原因

OSHOは、真理の探究やスピリチュアルなものごとに関してのマスターですが、質問によっては政治的、社会的な問題についてもストレートに言及していました。

そういう問題については微妙な問題もあって、誤解を避けるためには問題を避けるのが無難ですが、OSHOにとっては無難や妥協ということは一切ないようです。

この話がなされているのは1987年ごろなので、まだベルリンの壁が崩壊する以前で、東西の壁があり、米ソの冷たい戦争のまっただなかでした。

エイズに関しては、2013年末の統計では、世界のHIV陽性者数3500万人、新規HIV感染者数は年間210万人(2001年より38%減)、エイズによる死亡者数は年間150万人(2005年より35%減)となっています。

OSHOがはじめてエイズの脅威について言及した1983年当時では、CDC(Centers for Disease Control=米防疫センター)に報告された患者は1450人ほどでした。

誰もがエイズの脅威について気づいていなかった当時に、その後の危険性について警告を発したOSHOの先見性には驚かされます。

OSHOがこれらのことを語った当時、これらの世界の破滅に導く道について世界でも報道されては来ていましたが、OSHOほどの危機感を持って話している人はまだ少数でした。

これらの問題はますます脅威を増してきているように思われます。米ソの冷戦が終ったとはいうものの、北朝鮮をはじめとする共産主義国がなくなったわけではなく、核戦争の脅威もなくなったわけではありません。

人口問題や貧困の問題、生態系の破壊、人種、国家、宗教による差別が、ますます世界のテロや戦争を引き起こしている現状は変わっていません。

それらをなくす道は「自分のすべてのエネルギーを瞑想へ、覚醒へと向け」ることだとOSHOは語ります。
そして、これらの世界を破滅に導く5つの原因は、方便ではなく「とても悲しむべき事実について述べた」のだと語ります。

OSHOが語ることは、そのままには鵜呑みにできないようなこともあり、サルジャノの質問は当時の私たちの質問でもありました。

シュンニョは語ります。

「”Yhe Razor’s Edge”(剃刀の刃)と題された 一連の講話のなかで、OSHOは世界を破滅に導く5つの原因を挙げています。

 1)核兵器
 2)人口過剰
 3)エイズ
 4)生態系の崩壊
 5)人種、国家、宗教による差別

世界には光明を得た人が200人必要だ、とOSHOは言います。

『だが、どこからこの200人を連れてくればいいだろう?
彼らはあなた方のあいだに生まれなければならない。
あなた方がこの200人にならなければならない。

ところが、あなた方の成長はあまりにも遅いので、
あなた方が光明を得るまでには、
世界は消えてしまっているというおそれが多分にある。

あなたは自分のすべてのエネルギーを瞑想へ、
覚醒へと向けているのではない。
それはあなたがしていることのひとつ、
あなたがしているたくさんのことのひとつにすぎない。

あなたの生において、それがいちばん重要なことなのではない。
私はあなたに、それを最大の優先事項にしてもらいたい。

そして、そのために私にできる唯一のことは、
世界はまもなく終わるということを強調すること、
あなたの意識に深く浸透するように強調することだ。

…… 
あなたがたには、とほうもない責任がある。

光明に達しようと、瞑想的になろうと、
愛に満ち、喜びにあふれようと試みている人たちがいる場所は、
たとえ少数であろうとも、世界のなかでここだけだからだ。

私たちは、世界という大洋のなかにある、
ごく小さな島にすぎないが、それは問題ではない。
ほんの少数だけでも救われるなら、
人類のすべての遺産、
すべての神秘家と覚者たちの遺産が、
あなたを通じて救われることになる

なかなか飲みこみにくい話でした。

サルジャノがOSHOに質問しました。

「あなたは私たちを成長させるための方便として全世界を使い、 全世界のための方便として私たちを使っていると感じるたびに、私が自分のハートに感じる、このくすくす笑いはなんでしょう?」

OSHOは次のように答えました。

サルジャノ、あなたはハートのなかのくすくす笑いをやめなければならない。
これは方便ではない。
方便を使うための時間などない。

あなたのくすくす笑いは、
理屈づけの産物にすぎない。
あなたは世界が終わるのを信じたくない。
あなたは自分を変えたくないからだ。
これはたんなる方便だと、あなたは私に言ってほしい。
そうすればあなたはくつろげる。
あなたの固定した生きかたにくつろげる。

けれども私は、あなたにうそをつくわけにはいかない。
私がなにかを方便として使うときには、
これは方便だということをあなたがたに言う。
だが、これは手段ではないし、
あなたを通じて世界を変容させるとか、
世界を通じてあなたを変容させるということでもない。

私はただ、とても悲しむべき事実について述べたのだ。
あなたのくすくす笑いは、
私がもたらそうとしている衝撃を打ち消そうとする試みにすぎない。
ほかのことについてなら、すべてを笑いなさい。
だが、自分の変容について笑ってはいけない。
そのくすくす笑いによって、
あなたの無意識はあなたをだまそうとしている。
あなたの無意識は
『なにか別のことが起きるだろうから心配はいらない』
とあなたに言っている。

…… 

私たちは道の終点にきているということを、
あなたの存在の深みにおいて理解しなさい。
そしていまできるのは、ただ踊り、
歓喜のなかにあることだけだ。
あなたがそれを 『いま』するように、
私はあなたの明日を完全に破壊する。
明日に関心を奪われているあなたのマインドから、
明日を奪い去ろうとしている。

…… 

光明とは、あなたの意識をただ一点に集束させること。
『いまここ』に集束させることにほかならない。

…… 

未来はないと私は強調するが、
それは陰気な気分になることとはまったく無関係だ。
陰気な気分はあなたのせいだ。
未来という観念を完全に落としたならば、
あなたはすぐにも光明を得られるだろう。
そして、未来という観念を落とすには、いまは絶好の機会だ。
未来そのものが、ほんとうに消え去ろうとしているのだから。
これは方便だろうという考えは、
あなたのマインドの片隅にさえ置いておかないように。
それはマインドが、
あなたを昔ながらのゾンビのままにしておくために用いる策略だ

世界の状況について衝撃的な講話をする一方で、OSHOはジョークを語りましたし、いたずらもしました。
OSHOとともにあっては、生を深刻にとらえることはけっして許されません。
生は真摯にとらえるべきものであって、深刻にとらえるべきものではないのです。

 

「和尚と過ごしたダイアモンドの日々」

(本書は絶版になっています。 お問い合わせはinfo@oejbooks.comまで)