私たちは死を恐れています。
なぜでしょうか?
私たちには様々な恐れがありますが、それらの恐れを突き詰めていくと、結局最後には、死の恐怖に行き着きます。
あなたは何を恐れていますか?
お化けが怖いですか? 高いところが怖いですか? 職を失うのが怖いですか? 誰か怖い人がいますか?
それらの恐怖を突き詰めて考えてみてください。
命が危険にさらされたり、なんらかの意味で自分が死ぬ、というようなところにその根っこがあることに気づくでしょう。
自分がいなくなってしまう恐怖、
自分が否定される恐怖。
死はその究極のものです。
肉体と同一化している限り、肉体の死とともに、全てが無に帰してしまうわけですから。
しかし、夜寝るときに恐怖を感じる人ってあまりいません。
逆に、夜眠りにつくのは、楽しみであったりもします。
夜はどんなに疲れていても、嫌なことがあったとしても、翌朝になるとまた元気を取り戻すことができ、フレッシュになれます。
もし、死が、その眠りと同じものだとしたら?
私たちは死を恐れている
死ぬことはわかっていても死にたくはないからだ
私たちは目を伏せていたい
「ほかの人々はみんな死んでも、私は死なない」
という状態で生きていたい
これが、すべての人が持っている一般的な心理だ
「私は死なない…….」
死を話題にすることは禁忌だ、人々は恐くなる
それは自分の死を思い起こさせるからだ
人々は些細なことに没頭し、そして死がやって来る
人々は些細なことに自分をつなぎとめておきたい
それはカーテンの役割を果たす
自分は死なない-
少なくとも今のところは
まだまだ先のことだ、と ……
「それが起こるときに考えればいい」
生の全体性を受け容れることによって
あなたは死も受け容れたことになる
つまり、死はたんに休息にすぎないということを
一日中働けば、夜には休息が必要だーー
そうではないかな?
日々の睡眠によってあなたは活力を回復し
ふたたび活発に能率よく動くことができる
疲労はすべて消え去り、あなたは若返る
死はさらに深いレベルで同じことを行なう
死は肉体をとり替える
肉体は通常の睡眠だけでは若返ることができなくなったからだ
肉体はあまりにも古くなってしまった
もっと思い切った変革が必要だ
新しい肉体が必要だ
あなたの生命エネルギーは新しい形態を求めている
死は、あなたが容易に新しい形態に移れるようにするための睡眠にすぎない。