「存在の詩」の出版記念のzoomイベントが無事終わりました。
聞くところによると、8月8日「ライオンゲートが最も開く日」ということで、縁起の良い日であったそうです。
何はともあれ、無事に終えてホッとしています。参加していただいたみなさま、ありがとうございました。
これまで何度かイベント開催を告知してきていましたので、そのご報告をします。
最初の30分ほどは、「存在の詩」の翻訳者、星川さんのお話ではじまりました。
ほんとんどこれまで知られることのなかった、その翻訳に至った経緯や、そのときの様子なども臨場感豊かに語っていただきました。それだけでも貴重な話がいっぱいでしたが、
「どうして翻訳しようと思ったのですか?」という一照さんからの対談のなかでの質問に、
「自分はチベット語も学んでいて、チベット仏教に興味を持っていて、まさに知りたいと思っていることズバリの講話だったから、3日目の講話の時点で、自分が訳したいと申し出て、講話の進行と同時に訳し始めた」
というようなことを話されているのを聞いたときに、この講話はまさにOshoが星川さんに向けて話された講話だったのかもしれない、と直感しました。
というのはOshoは仏陀の対機説法のごとく、その目の前にいる人たちのことを敏感に感じ取って、その人たちに向けて必要な話をするのが常だったからです。
そこから訳した原稿は、星川さんのガリ版での自費出版からはじまり、それがめるくまーるの社長だった和田さんの目にとまって出版されるに至り、それがベストセラーになったというストーリーは、今回復刊された「存在の詩」が出現するに至ったルーツを知ることになりました。
それを聞いて、星川さんなしではこの本は存在し得なかったのではないかとさえ思われました。
対談の相手をつとめていただいた一照さんは、それまでの大学院を中退され、29歳で得度し、33歳から17年半にわたってマサチューセッツ州ヴァレー禅堂で坐禅を指導されておられた経歴があり、
その他にもさまざまな経験をされながら、現在はお寺ではなく、葉山のすばらしい別荘地のなかに禅堂があるところにお住まいです。お寺はオンライン禅コミュニティ磨塼寺の住職という異色で自由な活動をされています。
Oshoは社会に居て、社会に染まらず、という生き方(ゾルバ・ザ・ブッダ)を提唱していますが、まさにその生き方を地でいくような禅僧であられます。
一照さんにとって「存在の詩」は禅の道に転身する後押しにもなり、この本の中に自分の大切にしていることの多くが書かれている、というふうにも話されていました。
そのお話の中でも、視聴者のかたからの質問への回答がとても印象的でした。
質問は
「御二方のお話で「ドロップアウトし続けている」という話がありましたが、個人的にはドロップアウトするとき(ステージを転換するとき)、すごく自分の中で葛藤があるなと思っています。葛藤というのか、大きな決断というのか、それらと向かい合う時の心掛けなどコメントがあれば教えてもらえると非常に嬉しいです。」
これ(ステージを転換するとき)というのはいつの時代にも人生のいくつもの場面で直面する問題ではありますが、このコロナの時代でも、直面されている人も多いのではないでしょうか?
一照さんは、「基本的にはワクワクする方を選ぶ」とされながら、「自分が一番悩んだのは、大学院から禅の道に進む時で、さすがにそのときは非常に悩んで、自分は四国出身であることもあって、お遍路に出た。しかも最も困難なやり方で、一銭も持たず、野宿するというようなやり方で。でもそうしているうちに、心の中の悩みがなくなり、自分が本当にやりたいことはこれなんだという気持ちが心の底から湧いてきた」という体験談をはなされました。
だから、「決断というよりも、一択になる」というお話はとても興味深く、共感しました。
星川さんも、「基本的に同じ」としながら、「二択のうちは二択を悩んでいればいいんじゃないですか」というお話もあり、納得でした。
質問者の方からは、「よく分かりました。(笑)。何かお伺いしてみて、気が楽になりました。」というコメントがありました。
また、このイベントの目的のひとつは、まだOshoも「存在の詩」も知らない、若い人に「存在の詩」のメッセージを届けたいという願いもありましたので、吉田さんのように、若く、美しい女性に入っていただけることは、Oshoや「存在の詩」の超ベテランの男性とのバランスを取り持っていただく上で、私から見れば絶妙の存在でした。
そして、吉田さんご自身からも、この「存在の詩」を読むことで、緊張をすることもなく、楽しく進行することができ、この本を読むことがそのまま瞑想になりました、という体験を話していただきました。
そして赤い付箋のいっぱいついた本を見せていただいたところ、すかさず一照さんから、「どこに付箋を貼っているの?」というツッコミが入り、開けたページが62ページ。
「凝り固まったパターンを作り出すことさえも簡単じゃない。なぜなら人生は動き続け、変わり続けるのだから。毎瞬ごとに、そこには新しい状況が現れて、人はそれに応えなければならないのだからーー。
最大限の覚醒を持ってそれに応えること、それがすべてだ。そして、決定を状況そのものから出て来さしめること。既製品でもなくーー。つくりつけの心(マインド)を持ってまわらないこと。ただゆったりと、醒めて、そして自然であり続けるのだ。」
まさにその言葉のように、ゆったりと自然に司会進行をしていただきました。そしてそれは「生は動き続け、変わり続ける」という現代のコロナの時代を生きていくメッセージでもあるのかもしれません。
結果はすべてオーライだったのですが、イベントが始まる前に、不安なことがひとつありました。
それは吉田さんのご自宅の近くは電波状態が悪いことで有名らしく、wi-fiの電波が入りやすい、貸し会議室を別途借りてそこからの配信を予定していたのですが、なんと沖縄がコロナ感染者の増加で緊急事態宣言を出す事態になり、貸し会議室が閉鎖になれば、zoomでの登場は難しかも、という連絡を受けたときには、内心ドキドキでした。
その他にもドキドキなことを書けばきりがありません。それらのドキドキにも関わらず、すべて順調に終了し、終わった後も、イベントを楽しんだ、というメッセージもいただき、本当にホッとしています。
これもまずは、星川さんが「存在の詩」の出版記念の講演のイベントの開催をOKしていただくことがなければ始まりませんでした。
そして対談相手の一照さんを紹介していただき、一照さんも快く引き受けていただくことがなければ、開催できませんでした。
また、友人の高橋さんから吉田さんを紹介していたき、快く引き受けていただけなければ、この開催も難しかったことを考えると、本当に感謝です。
そして、この「存在の詩」を40年前に発売し、このたびも復刊にあたり多大のご協力をいただき、イベントにも協賛していただきましためるくまーるにも感謝いたします。
そしてこのたび多くの方に登録していただき、忙しい中、ほとんどの方が最後まで見ていただきました。
本当にありがとうございました。
ということで、今回の「存在の詩」zoomイベントのご報告とさせていただきます。
最後に、ここに書いていることは、私の聞き覚えですので、星川さん、一照さんから、そんなことは言ってないぞ、と叱られるかもしれませんが、そのときはご容赦のほどを。
イベントは終了していますが、当日の録画を送らせていただきます。