運動しないで運動する方法

イメージトレーニングというのは聞いたことがあるかと思います。

スポーツ選手などがよくやっていますが、スケートなどでも羽生結弦選手がリンクに上がる前に、リンクで滑っている様子をイメージしているような仕草をしているのを見かけますが、多分イメージトレーニングしているんだろうなって思います。

実際に体を動かさなくても、例えばスケートなら、実際に自分が滑っている自分を思い描くことで、技術を向上させたりできます。

つい数年前までは3回転ジャンプをミスなく飛べるだけでもすごかったのに、あっという間に4回転ジャンプが普通になってしまうのだから、技術の進歩ってすごいですね。

技術の進歩というよりも、それが「できるんだ」ってイメージできることで可能になった技なんだと思います。

100メートル競争でも、平地での10秒の壁を1983年にカール・ルイスが破ると、10秒切ることが普通になってしまいました。

人間がイメージできることの威力、ないし「できると思う」ことの力というのは素晴らしですよね。

現代の社会の進歩も、以前はSF小説の世界だったものが今では日常生活になってきています。

つまり、イメージできることが、この世に実現するのですね。

ある武道家の話を聞いていたときに「筋トレなんかしなくても、イメージだけで筋肉は鍛えられるんだよ」ということを言っているのを聞いたことがあります。

「う〜ん、そこまでは無理だろう」ってその時は思ったのですが、Osho の生活を見ていると、ありうるのかも、というふうに思うようになりました。

というのは、Oshoは1974年にプーナに瞑想アシュラムを開いて以来、ほとんど運動している様子がありません。

自分の部屋にいるか、ダルシャンで弟子や新しく訪問した人たちと会っているか、講和しているかだけです。

私が訪れていた時期は、アメリカで盛られた毒の影響で体を壊していて、講話で2、3時間話す時以外は、ずっと寝たきりでした。

しかも、自分の部屋から講話をするところまでの数百メートルさえ運転手つきのロールスロイスに乗ってくるので、歩くことさえほとんどない状況です。

普通2、3日も寝たきりになっていると、歩くときもフラフラするし、筋肉もみるみる衰えてくるものです。

一体、運動もしないでいて、Oshoはどうやって体力を維持しているのだろうと不思議に思っていたのですが、その秘密の方法が、ここで語られています。

この方法ができるようになれば、寝たきりになっても運動ができるっていうことになります。

おそらく、この瞑想キャンプには、あまり動くことのできないご老人たちも参加されていたのでしょう。

Oshoはその人たちのためへの身体の浄化の方法を語っています。

実は今日の朝、起きる時にこの瞑想をしてから起きたのですが、身体がすっきりとして、すでに目覚めた活動状態になっている感じがしました。

私が主催している瞑想会でも、そのエクササイズをみんなでしたことがありますが、参加者からも、実際に自分がジョギングしているような実感が得られ、やってみて驚いたという声が寄せられました。

いろんなふうに応用ができる瞑想ですので、やって見てください。

ここには、決まった運動が
できなかったり、
林に行けなかったり、
山に登れない友人もいることだろう。
その人たちには、別の瞑想を勧める。

朝、風呂を浴びたあと、
締め切った部屋でベッドに
十五分間横たわる。

そして山を登っているか、
ジョギングをしていると想像するのだ。
ただ想像するだけで、
何もしてはいけない。

年とった人は実際に山へは行けない。
そこで、
締め切った部屋で目を閉じて横たわり、
山登りをしているか、
走っていると想像するのだ。

太陽は輝き、あなたは走っている――
あなたは激しく
呼吸しはじめた。
自分が実際に激しく
呼吸しはじめるのに気づくと、
あなたは驚くだろう。

そして想像が充分たくましければ、
十五分のあいだ、
実際に屋外にいたような体験をしたのがわかるだろう。

十五分のあいだに、
まるで運動したかのように
爽快な感じがするだろう。

実際に運動する必要はない。
なぜなら運動するはずの
体内の細胞が目覚めるからだ。

別の言葉で言うと、
それらが実際に運動するときに至る状態になるということだ。

夢の中で怖い思いをして目覚めるとき、
心臓がまだどきどきしているのはなぜか、
不思議に思ったことはないかね? 

その恐怖は夢の中のもので、
現実ではなかった――
だとしたら、
なぜ心臓はそんなにどきどきしているのだろう? 
目覚めたあとでも、
なぜどきどきしているのだろう? 

心臓は鼓動を速めている。
なぜなら、恐怖が夢の中のものか
現実のものか、わからないからだ。
心臓にわかるのは、
恐怖があるということだけだ。

このように、
自分が運動していると想像すると、
実際に運動したかのように助けになる
――

そこには何の違いもない。
だから、
こうしたことに精通した人々は、
このような手法を生み出した。

それらを小さな細胞の中に組み込めば、
細胞の健康を損なうことはないだろう。
なぜなら、細胞はこのようにして
十五分間休息しながら運動するからだ。

試してごらん。
出かけられない人はみな、
夜に行なう予定の眠りのための瞑想とともに、
この手法も使うといい。

それを両方、寝る前にやるといい。
こうして身体は浄化できる。

身体が純粋なら、
それ自体が大いなる歓びであり、
この歓びの中であなたは内側に
より深く進むことができる。

これが第一段階だ。

今日はこれから15分間、想像の中でジョギングしてみてください。

それでは今日も素敵な1日を!

Have a nice day!

えたに