人は宇宙と調和しているときに満たされる
宇宙と調和していないときは虚しい、
まったく虚しい
その虚しさから貧欲が生れる
貪欲とは一―金、家、家具、友人、恋人一
あらゆるもので虚しさを埋めようとすることだ
なぜなら、虚しいまま生きてゆく
ことはできないからだ
それは恐怖だ
それは幽霊の生活だ
空虚で、内側に何も持っていなければ
生きてゆくのは不可能だ
内側に多くを持っていると感じる方法は
ふたつしかない
宇宙と調和するか‥‥‥‥
そうであれば、あなたは存在全体によって
あらゆる花、あらゆる星によって満たされる
これが真の充足だ
そうでなければ―
大勢の人々がそうしていないのだが 一
そのときは
自分自身をあらゆるがらくたで満たす道が
残されているだけだ
貧欲とはまさにあなたが奥深い虚しさを感じ
できるものなら何によってでも
その虚しさを満たそうとすることだ
それは何でも構わない
ひとたびこれを理解すれば
貧欲さとは無縁になる
あなたは内側の虚しさを解消するために
全体とのコミュニオンを持つようになる
私たちは物質的な豊さを追い求めています。
そのおかげで日本は世界でももっとも豊かな国のひとつになりました。
第二次世界大戦でアメリカに負けて廃墟になり、何もかも失った国から、ここまで豊かになれたのは奇跡です。
世界には今も戦争で国が荒れ果てて、住む場所も失い難民となっている人たちが多くいます。
2014年末時点で移動を強いられた人の数は5950万人で、新たに1390万人が家を追われています。
アフガニスタンやシリアなどでの紛争や迫害によって、新たに290万人の難民を含む1390万人が避難を余儀なくされ、1100万人が新たに国内避難民となり史上最多となったという報告があります。
ドイツではシリアから多くの難民が押し世で大きな社会問題になっています。
また、現在でも十分に栄養の取れない飢餓人口は7億5500万人おり、その数は毎年増加傾向にあり、毎年約1500万人、4秒に1人の割合で飢餓が原因で死亡していると報告されています。
他方、大量の食料の損失と廃棄、世界の食料総生産重量の約3分の1が廃棄されているという報告もあります。
「豊かな国」では、最終消費者により約100kgの食料が捨てられており、東京都23区の家庭から1日に捨てられる食物は、アジアの50万人以上が1日に食べる食料に相当するというのです。
このように豊かすぎる国がある反面、貧しく悲惨な状況にある国や人々が存在しています。
しかしその豊かな国においてさえ、さらにもっとお金を求め、もっともっと多くのものを求め、さらに貧富の差が大きくなっている現実があります。
それはどうしてなのでしょうか?
もっと豊かさを求めることは、ある意味自然なことです。
もっとお金があればもっと自分がやりたいこともできるし、もっと自由になれるし、もっと大きなことも出来るし、もっと他の人々に役立つこともできるようになります。
いい家に住んだり、すてきな家具に囲まれ、素晴らしい友人や恋人に恵まれることは、充実した人生を送る上でも大切な要素です。
でもそれが見栄や世間体や競争心や他の人たちとの比較から、必要以上に多くのお金や家、家具、友人、恋人などを求めているとしたら、それは自分の中の虚しさを埋めるために、貪欲から求めている可能性があります。
それだと、ほんとうには必要ではないがらくたで、自分を満たそうとしていることになってしまいます。
それがわかるのは、実際にそれらの求めていたものを得たときに、自分の内側が満たされるかどうかです。
「成功した者が、もっとも失敗した者だ」とOshoが語っているのを聞いたことがあります。
「成功した者」とは自分の望みを達成したもの、つまり目標を達成した者のことをいいます。
「失敗した者」とは、それを達成したときに、そこではじめてその達成したものがほんとうには自分の求めていたものではないことに気づく、という意味です。
つまり、自分が求めて得たものはがらくただったと気づいた人のことです。
自分の虚しさを満たそうとして、貪欲からものごとを得たとしても、決してその内側の虚しさが満たされることはありません。結局は失敗に終ってしまいます。
現代の世界のアンバランスは、このことに気づかずに、貪欲さから、必要以上にものごとを求めているところにあるように思われます。
もしインターネットやFacebookやLINEに釘付けになって、より多くの人々とつながることだけを求めているとしたら、それは自分の内側の虚しさをそれで満たそうとしているのかもしれません。
それでは「宇宙と調和する」ためにはどうすればよいのでしょうか?
自分の内側の虚しさから求めるのではないようにするにはどうすればよいのでしょうか?
それは内なる「本質」につながることです。
内なる本質につながったとき、 あなたが求めるものは自分自身と調和するものになります。
自分の本質につながって求めるものは、内なる空虚さを埋めるためのものではなく、内なる愛や豊かさ、自由を実現していくためのものになっていきます。
内なる「本質」とはユニティインスティチュートでは、意識の多重構造マップの以下の図の内側のサークルの層によって表されます。
内側の本質とつながることなく、外側のマインドの層からのみものごとを求めたとき、貪欲から求めることになります。
内側は空虚なままで、外側の層にある貪欲から金、家、家具、友人、恋人を求めることになってしまいます。
しかし内なる本質につながって求めるときは、内なる豊かさ、愛、創造性を表現するものとして、自分に必要なものを引き寄せていくことになります。
そのようにして内なる豊かさと同時に、外側の豊かさを満たしていくことが真の充足をもたらす道です。
そのためのシンプルで効果的な方法が「ハート瞑想」です。
そうしたときには世界はもっと調和して、内面的にも外側の世界でも豊かな世界が可能になってくるのではないでしょうか。