勇敢と臆病 その3

勇敢と臆病  その3

恐怖と勇気はどちらも破壊するが、
恐怖はただ破壊するだけだ。
種はただ腐ってしまう。

あなたが土の中に勇気の種を蒔くと、
それもやはり死ぬ。
だがそれは腐らない。
それは死ぬ。
それは死んで新しい現象になる。
新芽が出てくるのだ。

骨の折れることだが、
それは冒険でもある。

それは難しいことだ。
心地良いことでも、
便利なことでもない。

だが、それは
大きなエクスタシーももたらす。

そのエクスタシーのためには
対価を払う必要があるのだ。

             Osho

「勇気の種を蒔く」っていい言葉ですね。

でもそれはそう簡単なことではありません。それは冒険になります。

心地良いことでも、
便利なことでもない。

コーチングの言葉では、このことを
「コンフォートゾーンから出る」というふうに表現します。

「コンフォートゾーン」というのは、これまでの心地よい環境です。

私たちにはホメオスタシス(恒常性)があって、その恒常性を維持しようという機能が働きます。

恒常性(ホメオスタシス)とは、
生体の内部や外部の環境因子の変化に関わ らず生理機能が一定に保たれる性質 のことであり、
生物が生きるためには極めて重要なものです。

例えば、体の体温がいつも一定に保たれているような機能を指します。

そのような恒常性が保たれて、心地よい状態がコンフォートゾーンです。

そのコンフォートゾーンでは現状維持の機能が働くので、

これまでと同じ状態を維持しようとします。

でなければ死んでしまうからです。その現状維持から出てしまうことへの恐怖です。

それは死の恐怖と直結しています。

恐怖と勇気はどちらも破壊するが、
恐怖はただ破壊するだけだ。
種はただ腐ってしまう。

ここで問われているのは、
あなたの人生はそのままでいいのですか?

ということです。

もし何か、この人生で自分がやりたいことがあるのに、
恐怖があるがために、現状維持から出られないだけだったら、
その、自分がやりたいことの種は腐ってしまいます。

あなたが土の中に勇気の種を蒔くと、
それもやはり死ぬ。
だがそれは腐らない。
それは死ぬ。
それは死んで新しい現象になる。
新芽が出てくるのだ。

しかしもし、
あなたが自分がやりたいことに向かって、
勇気の種を蒔いたら、

これまでの自分は死んでしまうでしょう。
しかし、新しい自分となって生まれ変わる可能性が生まれてきます。
それが「新芽」です。

骨の折れることだが、それは冒険でもある。
それは難しいことだ。
心地良いことでも、便利なことでもない。

Oshoはここで慰めの言葉は何ひとつかけてくれません。
これは骨が折れると言っています。
冒険になる、と。

冒険物語には法則があります。
それは、「神話の法則」と言われています。

スターウォーズでも、ロードオブリングでも、鬼滅の刃でも、ワンピースでも、
ほとんどすべてと言っていいほど、この神話の法則によって物語が展開していきます。

別名ヒーローズジャーニーとも言われていますが、だいたい12のステップがあるとされています。

簡単にいうと、日常生活を送っていた主人公が、あるきっかけで(コーリングと言いますが、何かの呼びかけがあり)冒険の旅にでることになります。

そして、その旅の過程で、さまざまな困難に出逢います。絶体絶命のピンチに見舞われながらも、旅の仲間やメンターのアドバイスやサポートを得て、

それらの困難を乗り越えて、宝物を持って帰還する。

というストーリーになっています。

つまり、その冒険に出るというのは、これまでの日常生活(ホメオスタシス)の世界を離れて、これまでとは違った未知の世界に踏み出すことになります。

そして、そこで、さまざまな苦難や挑戦に出会うことになります。

いろんな怪物が出てきたり、敵の攻撃にあったりして、命の危険にさらわれるわけです。

そして、絶体絶命のピンチなども会ったりします。

だが、それは
大きなエクスタシーももたらす。

そのエクスタシーのためには
対価を払う必要があるのだ。

でもそのピンチを乗り越えてこそ、それを乗り越えた喜びは大きく、そこで得る宝物(報酬)も大きなものになるのです。

でも、そのためには、
対価として犠牲を払うことなども
覚悟しなければなりません。

そこでは自分がどういう人生を生きたいかが問われます。

自分にはやりたいことも別にないし、平穏無事な人生を全うしたいという人もいるでしょうし、

自分にはやりたいことがあって、そのための冒険の人生を生きたいという人もいるでしょう。

そのときは、大変かもしれないけれども、大きなエクスタシーを経験する可能性があります。

問題となるのは、やりたいことがあるのに、恐怖のためにこれまでの殻から出れない場合です。

そのときは、その種は腐ってしまいます。

そのまま腐ってしまったいいのですか?

そういうことを考えさせられるOshoのお話ですね。

今日はここまでにします。

えたに