人間の最も偉大な創造物は自分自身だ

「真理への渇望こそが真理への道となる」と語ったOshoでしたが、ここでは、「真理への渇きは瞑想から生まれる」と語っています。

つまり、瞑想こそが真理への道だということになります。

そして、「人間の最も偉大な創造物は自分自身だ」というOshoの言葉も衝撃的です。

私たちはいつも自分以外の、誰か他の人になろうとしています。子供の頃から偉人伝を読んだりして、あんな人になりたいとか、こんな人になりたいと憧れたり。

少年少女文学全集で様々な偉人伝を読みましたし、学校教育でも偉い人になるために勉強するという教育だったように思います。

誰も「自分自身になるように」とは教えてくれませんでした。

このままの自分ではダメだと思って、もっと違う自分にならなきゃと思ったり。常に自分を否定してもっと良くなるようにと教えられてきたように思いますし、自分でもそうしないと進歩はないと思っていました。

なので、Oshoから瞑想を学び始めた最初のころに、セラピーグループを受けていた時、「あなたは誰か(somebody)になろうとしている」とグループリーダーの人に言われた時には、「誰かになろうとして何が悪い?!」と思ったものです。

それならば、というので「じゃぁ、誰かになろうとしないためにはどうすればいいんですか?」って質問したら、「あなたは誰でもない人(nobody)になろうとしている」と言われて、「一体どうしろっていうわけ???」って思ったものです。

時代が高度成長時代で、日本が敗戦し、アメリカに追いつけ追い越せの時代であったことも影響していたのかもしれません。同じように、人間ももっと改良して、良くならなければという風潮がありました。

しかし日本が経済成長を遂げ、Japan is No.1 の時代を経て、経済的にはある程度充足し余裕が生まれてきたこともあるのでしょうが、今はもっと自分自身を見つめ直し、ユニークな自分を認めてあげようという雰囲気があります。

「あるがままでいい」とか、「自分自身でいる」とか2002年にヒットしたスマップの歌のように「世界に一つだけの花」ということが尊重されるようになりました。

  

 

それは初期の資本主義の大量生産の時代から、量よりも質が求められ、ユニークであること、個人であることが求められる時代への変化があったことが影響したのかもしれません。

それは外側の社会の変化ですが、個人が人生を生きる上での内面の真理は仏陀の時代から変わることはありません。

それは自分自身になること。自分自身を生み出すこと。

それは人間がそれぞれの個人の内側につくり出すものなのです。それが自分の人生を考えることです。

その自分の人生の真理を見出すために瞑想があります。

瞑想は、何かになる(become) というのではなく、在る(Being)ことなので、自分自身になるというよりも、自分自身で在ること、という方が近いかもしれません。

しかし、そもそも自分自身とは何か? が分かっていないので、「なる」と言っても「在る」と言っても変わらないのかもしれませんが。

 

生を省み、問いはじめると、
内側に渇きが生まれる。
真理への渇きは瞑想から生まれる。

生について考える人は
非常に少ない、非常にだ。
ほとんどの人は、川を漂いながら
下っていく流木のように生きる。

それはただ漂い続けるばかりで、
川が連れ去るままにどこへでも行く。
川がそれを川岸のほうへ
連れていけば、川岸へと漂っていく。

流れの中ほどへ連れていけば、
生気もなく、何の目的地もない
かのように川の中ほどへ漂っていく。

わたしたちの多くは、
川を漂う木片のように生きている
――時と状況が連れていくところへは、
どこへでも行くのだ。

生について、
その目的について考えることは、
方向を見出す助けになる
――川を漂う木片のように
生きるべきか、

風が運び去るままに
吹き飛ばされていく
枯葉のように生きるべきか。

それとも一個人として、
一人の人間、考える人間として、
生における指針を持ち、
なりたいものとなるべきものを決意し、
自らの生とその展開を手中に
収めたものになるべきなのか。

人間の最も偉大な
創造物は自分自身だ

ーー人間の最も偉大な
創造は自己実現だ。

それ以外に人が
創造するものにはさほど価値はない。

それは水に線を描くようなものだ。
しかし人間が内側につくり出すもの、
自分自身を生み出すことは、
石を彫るのと似ている
――それは決して消え去ることなく、
永遠に自分とともにある。

ー―だから
自分の生について考えなさい―ー」

 

あなたは川に浮かぶ木片のような人生でいいですか? 

風に運ばれ、吹き飛ばされる枯葉のような人生で良いのでしょうか?

それがOshoからの問いです。

今日は、自分の生について考える1日にしてみてはいかがでしょうか?

それでは今日も素敵な1日を!

Have a nice day!

えたに